院長徒然日記

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No.170 「鳥人間コンテスト」に学ぶ

 夏の琵琶湖を舞台に繰り広げる「鳥人間コンテスト」を毎年楽しみにしています。わたしにとって今では夏の風物詩となっています。滑空機部門は残念ながら大会途中からの悪天候にて中止になりましたが、人力プロペラ機部門は最高の天候に恵まれ競技が行われ、更新記録が続々現れ、楽しませてもらいました。今年は「BIRDMAN HOUSE 伊賀」が60kmといった信じられない飛行距離を達成し完全制覇で優勝しました。
 このコンテストの面白味は、機体の製作を担う理系学生と、機体のエンジン役となる体育会系学生、資金を集める部員など普段は決して交わることのない人たちが、飛行機を長距離飛ばすことの只一点のみを目的に集まり、葛藤を乗り越えながらチームそしてメンバー1人1人が成長していく姿であり、これに心を打たれます。番組制作の技術もあるのでしょうが、どの部員にも感動させられますが、わたしも体育会系学生であったこともあり、パイロット役が本番に向かってトレーニングに取り組む姿、そして本番での死力を尽くす姿には素晴らしいものを与えてくれます。今回、日本大学理工学部のチームで、飛行中に機体の一部(窓)が破損しながらも飛び続け、さらには機体の一部が着水したにもかかわらず、パイロットの執念で再度浮上しその後も長距離飛び続けた場面に最も感激を受けました。機体の一部が着水するとそれでこと尽きるのが普通ですが、チームの願いがパイロットに通じたとしか言いようがないと感じました。

 様々な知識、体力、キャラクターなどを持った人たちが集まり、チームを結成する。ただ漠然と集まったチームではなく、その中に明確な目標があり、目標達成に向かって方向性を一にすることが出来れば、その力は相乗的効果を表すことになり、素晴らしい結果を生み出すことになります。これに加わった人たちの間のコミュニケーションは深くなり、達成感を共に味わうことが出来、感動を覚えることになります。さらにはその姿を見る人たちにも感激を与えることもできます。
いま日本社会に閉塞感を感じることが少なからずありますが、これらを乗り切るためにも特に若い世代の方には鳥人間コンテストのようにチームで何かを達成する経験をすることは大事なことではと思います。

2019年 8月 30日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三