院長徒然日記

院長徒然日記

No.162 10連休が終わり

史上最長と言われた10連休が終わり、病院は普段と変わることなく診療を行っています。
わたしは連休の前半は受講に費やし、頭の回転を少しばかり速くできたのではと自負しています。後半は自宅の周囲を出歩く程度で、ほとんどの時間は本を読んだり、新しい令和の時代の幕開けに関する報道をテレビで見たりと、心身を十分休めることが出来ました。批判を受けることを覚悟の上書きますが、職員に対して「連休で身も心もリフレッシュできたことと思います。仕事を頑張りましょう!」と言葉がけをします。職員の何割の方が本当の意味でリフレッシュできたかは少し疑問を抱いています。観光地だ、遊園地だ、Uターンラッシュだなどと疲れ切ってヘトヘトになり、“眠い。だるい。仕事したくない。職場に行きたくない。”と思っている方もきっとおられると思います。わたしも若い時は遠出などして同じようなことをしていましたが、年を取った今日本人の行動をみると、「休暇」ではなく、「苦行」を行っているのではと思うこともあります。

報道によると、主要先進7か国の中で日本はとびぬけて公休日が多いそうです。この理由として、日本人労働者の有給休暇取得率が低いことが挙げられています。日本人はどこの国の人間より真面目で、仕事に対する責任感が強いなどの正論が世の中を制し、日本社会に有給休暇を取得できない空気が蔓延しているためと言えます。ならば国の定める公休日を設け連休にすれば、しっかり体を休めることが出来、生産性が上がるであろう、さらに大型連休ともなると消費活動も上がり経済効果も上がるであろうと考えてもおかしくはありません。今働き方改革、人口減少問題など重要な課題に直面しており、この解決策の大きなカギの一つに生産性を上げることが必須であることに異論はありません。しかし生産性とは連休が多い少ないといった問題ではないことも明らかです。

日本人は得てして「みんなと同じでなくてはならない」といった観念があり、皆が休暇をとるときは一斉に休むといった行動をとっています。この結果大型連休などには行楽地は満杯状態となり、交通渋滞を発生させ、文頭に書いた状態になってしまいます。
主要先進国並みに生産性を向上し、有給取得率も高めるには労働者個々人が自発的な行動がとれる環境を整えることが重要であり、公休日を増やすことはこの流れに逆行するのではと考えます。今のままでは人口減少に伴い、例えば観光地では産業が衰退することが予測されますが、自発的行動により、継続して来客を獲得することが可能となり、生産性の向上に繋がります。
皆と同じ行動をするといった日本人の観念を変えるには時間が必要ですが、働き方改革、人口減少問題解決の一つのカギとなるのは確かです。何よりも心と体がリフレッシュされます。

2019年 5月 14日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三