院長徒然日記

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No.17 ボランティア活動
▲枯葉が連日舞い散る季節、綺麗な芝生
▲枯葉が連日舞い散る季節、綺麗な芝生

 ボランティアとは一般的に、自主的に無償で社会活動などに参加し、奉仕活動をする人を指します。ボランティア活動の要素には自発性、無償性、利他性、先駆性の4要素があると言われています。先駆性や補完性といった要素は、ボランティア活動が既存の社会システム、行政システムに存在しない機能を創造的な自由な発想で補完するという役割を担うことから発生したとされています。日本では奉仕活動の同義語、無償労働の意でボランティアという語が用いられているようですが、そもそも日本では古くより町内会・自治会・消防団など地縁・血縁によって強固に結びついた相互扶助の慣習があったため、外部からのボランティアを広く呼びかけ受け入れる仕組みは必要性ありませんでした。しかし近年都市化・核家族化・地方の過疎化などが進み相互扶助の仕組みを維持することが困難となってきています。

 その中1989年サンフランシスコ近郊で大地震が起こり、日本の多くの大学生が現地に赴きボランティア活動をし、米国より感謝されたことがあります。これが日本のボランティアの幕開けと言われています。そして1990年雲仙普賢岳の噴火、1991年の湾岸戦争での活動を経て、1995年の阪神・淡路大震災では全国から大勢のボランティアが被災地に駆けつけたことから、「ボランティア元年」と呼ばれています。これ以降様々な災害などでボランティアが活動をしていることは皆さんご存じのとおりです。しかしボランティアの概念がまだ十分浸透していないため、被災した当事者にとって迷惑になった事象も数多くあり、まだまだ発展段階といえますが、この点も今後改善がなされ意味のある活動に深化するものと期待しています。

 活動内容も被災者関連だけでなく、医療介護関連、人権関連、国際協力関連、文化・スポーツ関連、子ども・教育関連、NPO支援関連等々多種多岐にわたっています。最近高校生や大学生がボランティア活動に参加する話をよく耳にします。ボランティアに従事すると、ボランティアをしたことを認定する機関が、一定の活動条件を満たした場合に本人にボランティア認定証が発行されます。この認定証がホスピタリティの高い人材であることの証明となり、大学への進学や就職活動において、ホスピタリティが必要とされる学部、職種に従事したいものへの能力評価の一定条件となっていることも大きな要因といえます。今後よい意味でのボランティア活動が盛んになることは豊かな社会実現のため望ましいことと考えます。

 ところで11月29日姫路赤十字病院ボランティア交流会及び表彰伝達式をとり行いました。私たちの病院には現在案内ボランティア12名、衛生材料ボランティア7名、園芸ボランティア32名と多くの方が病院ボランティアに参加してくださっています。このことは取りも直さず地域の住民より私たちの病院が愛されていることの証であると感謝します。今回ボランティア活動を10年してくださいました方5名、5年してくださいました方2名、そして理髪100人をしてくださいました1名の方に感謝状を贈らせていただきました。病院ボランティア活動を言葉で表すことは簡単ですが、実践することは大変であろうと思います。ましてや長きにわたって持続することはさらに大変であろうと頭の下がる思いです。健康でいつまでも続けていただくよう願います。

 病院に来られる患者さん、家族はいろいろな不安を持たれています。私たち医療者も不安を取り除くように配慮をしています。しかしボランティア活動されている姿を見ると、不安な気持ちを異なった面からやさしく癒してくださるものと考えます。患者さん、家族の方そして職員の方もボランティアさんの姿をみつけたら感謝の気持ちを持って「おはよう!」「ありがとう!」の声をかけてあげましょう。


2013年 12月 13日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三