院長徒然日記

院長徒然日記

No.156 幸せを感じる職場
慶應義塾大学大学院教授前野隆司氏による
慶應義塾大学大学院教授前野隆司氏による
人口減少社会で医療界でも例外なく大きな変革が求められています。医療は人の労働力による業務割合が大きい産業で、いわゆる労働集約型産業の典型の一つです。急速に移り変わる環境の中で病院が発展継続するには、なんといっても現場で仕事をしている職員一人一人が如何に働きがいをもって仕事をしているかが最も肝心な点であり、偏に幸せ感に結び付くかにかかっています。

同じような趣旨で「会社は社員の幸せのためにある」の記事を雑誌 『PRESIDENT』で読むことがありました。慶應義塾大学大学院教授前野隆司先生の書かれたものですが、先生によると「幸福学」と「経営学」を組み合わせた最新の研究によれば、継続的な幸福感を社員に抱いてもらうには、表に示した「幸せの4つの因子」を必要とするそうです。「やってみよう」因子は、自分の仕事にやりがいを感じ、成長の実感や自己実現の達成感を得ることが出来れば幸せを感じる。「なんとかなる」因子は、前向きに新しいことに挑戦できれば幸せを感じる。「ありのままに」因子は、独立と自分らしさの因子で、自分の強みを推し進められ人は幸せを感じる。「ありがとう」因子は、つながりと感謝の因子で、まわりのみんなのおかげで自分がいると思える人は幸せを感じる。このように幸せを分析しています。

自分に当てはめてみますと、「かなり幸せ」の部類に入るのかなと自己評価しました。そう評価するのも、努力した面、年齢を重ね社会とかかわり視野が広がったこともありますが、与えられた環境もわたしにとって大きなウエイトを占めています。
立場を変えて病院という職場で仕事をすることが、職員にとって幸せであると感じていただくことは重要な点であり、基本であると考えます。日本のすべての医療機関の職場環境が大きく変わろうとしているとき、働きがいのある職場、幸せを感じる職場を追求することは病院の進むべき姿です。

わたしの経験から、もちろん自己研鑽も必要ですが、管理職として環境を整えることも大事なことは確かです。わたしが院長を継いだ時からの理念である働きたい病院づくりを、さらにこれを達成する手段の1つとして多職種連携を掲げてこれまで運営をしてきました。現場で新しくやりたいことを前向きに多くの職員が関わって挑戦してくれることが自分にとり何よりも嬉しいことです。「幸せの4つの因子」が関わっていることに気づかされました。

今回、幸せとは何か具体的な指標が示されたことにより、これらを今後の職場環境の在り方もそうですが、個人にとっても職場での幸せを考える上で大いに参考となります。

2019年 2月 28日 姫路赤十字病院 院長 佐藤四三