院長徒然日記

院長徒然日記

No.152 組織文化の創造

年末年始の休み期間、ある機関誌に『新たな段階へ、そして継続へ』と題してコラムの原稿を書いていました。
その中で組織文化といった言葉を幾度となく使いましたが、この言葉についてもっと詳しく調べようと思いネット検索をしてみました。面白いことに、どの様な目的をもって組織文化を創造し、さらにこれを根付かせるにはどうすれば良いか実に参考になり、頭の中が整理できました。
ネット検索で調べた結果をわたしなりに要約すると、最初に何気なく使用している「風土」と「文化」の違いを明らかにしておく必要性を感じ取りました。「風土とはいつの間にか根付いてしまった習慣のことであり、文化とは意図的に根付かせたものである」と文化人類学で定義されているようですが、実に明快であり、両者を理解する上で大切です。先輩が後輩に指導し、時には強制しながら、その風土が習慣となり、受け継がれて根付くことになります。組織はこれを意図的に行うことにより組織文化へと創造する。結果的に当たり前の行動となり、疑うことなく継承されることになります。しかし良い組織文化になる反面、悪しき組織文化にもなりうることを理解しておくことを忘れてはなりません。

わたしたちの病院は110年の歴史があり、先人達が築いてきた風土、文化があります。職員自ら自覚しているものもあれば、そうでないものもあると想像します。良い文化、悪しき文化もきっとあります。わたし自身も長くいまの病院に務めていますので、知らず知らずに当たり前と認識し、後輩に強制してきたものもあると思います。
管理者となり、他の組織を知る機会も増え、また書籍を読む機会が増えますと、組織によりそれぞれが異なった方法で運営していることに気づかされます。戦略的に理にかなった文化創造を行なっている会社も見受けられ、見習う点も多々あります。 例えばトヨタでは「「なぜ?」を5回聞け」と言われ続けるから、自然と深く考えることが習慣になります。リクルート社では「会議では他人と違うことを言え」と言われ続けるから、自然と多様な答を探し、その結果クリエイティブな思考が習慣になるのです。

求める組織文化を根付かせるには、今当たり前と思っている習慣を一度疑って見直すことから始まり、悪影響を及ぼしている風土があればそれを特定する必要があります。改めるべき悪しき組織風土が定まったら、これを良い組織文化へと変えるにはどうすべきかを明確にするこが求められます。変化させた風土を、習慣化し、文化形成するまでに醸成し、さらにこれをどのように継続させ根付かせるかが重要となります。
長期戦は覚悟しなければなりませんが、根付いた組織文化を創造することはすべての組織で可能であり、トヨタ、リクルート社を見ればわかるように文化は財産になり、組織が充実発展する礎となります。

2019年 1月 4日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三