院長徒然日記

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No.146 カイゼンを楽しむ
今年度のQC活動キックオフ大会より
今年度のQC活動キックオフ大会より
“カイゼン”と言えばトヨタ自動車のカイゼンは特に有名で、今や世界で通じる言葉になっています。作業効率の向上や安全性の確保などに関して、経営陣から指示されるのではなく、現場の作業者が中心となって知恵を出し合い、ボトムアップで問題解決をはかっていく点に特徴があります。多くの企業が取入れている活動の一つです。わたしたちの病院でも取り組んでおり、この日記でも昨年“No.113今年もQC活動キックオフ”で紹介しています。実際に本年も新たなQC活動が進行しています。

最近ある雑誌のコラムに書かれている中に面白い記事を見つけました。「外科医の手術のスキルと患者の死亡率の関係を調査した結果、死亡率を下げる要因は外科医の腕前ではなかった。どのチームと仕事をするかという、チームメンバーとの協力関係が死亡率を低下させていた。腕前のある外科医が一人で施設を移動した場合はパフォーマンスを発揮することはできなかったが、チームとともに移動した場合はパフォーマンスを十分に発揮することができた。」このことは人が能力を発揮できるのは環境が大いに影響しており、苦楽を共にしてきたメンバーがいてこそ可能になることと言えます。

カイゼン活動は、職場で作業している職員が、同じ目的意識をもって環境とともに変化することで効率化が進み、何よりチームメンバーでより良い環境に変化させたという達成感とそれに伴う楽しみが得られるものでなくてはなりません。これは一人だけではできません。周囲の人たちが参加することによりなせる業です。
病院は製造業の生産現場とは異なり、現場には実に多くの職種の人たちがいます。しかもそれぞれが専門職資格を有した集団です。一般的に同一職種では縦のつながりで業務する傾向にありますが、医療の現場では同一職種が多人数いることは稀です。他の職種と関わることにより業務が行われているのが実態です。業務に関わるすべての職種が知恵を出し合い、協働すれば効率的に、安全で質の高い医療の提供が可能となることは明白です。チームとの協力関係を築き、チームとしてパフォーマンスを発揮するように変化することがモチベーションに繋がり、個々人の喜びに繋がります。 外科チームの結果が示すように、一人の人だけで変化することは困難ですが、周囲の人たちも取り込み環境とともに変化することは十分可能と考えます。こうすることにより、自分はもとより、環境に属する人たちに良い影響を与え、患者さんも好結果を得られます。カイゼンを楽しみましょう。

2018年 10月 11日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三