院長徒然日記

院長徒然日記

No.15 第67回日本赤十字社病院長連盟定期総会に出席して
▲タイトルが重厚なのでほんのりとお土産をご紹介。
▲タイトルが重厚なのでほんのりとお土産をご紹介。

 仰々しい題名になってしまいました。全国には92の赤十字病院があります。この92病院の院長が一同に会して病院の抱える諸問題を討議し、またお互いが懇親を深める会です。今回は10月24・25日の2日間にわたって仙台市で開催されました。仙台市はわたしが大学時代を過ごした街であり、第二の故郷に戻った感じであり、旧友とも会うことができ懐かしく楽しいひと時を過ごしました。

 本題に戻りますが、今回の会合では「病院の活性化」、「病院経営、精神科医療の問題」、「病院経営改善、地域医療の維持」、「病院経営と病院の新築移転」をテーマとして15病院の院長が発表されました。この会に初めて参加しましが、私にとって大変有意義でありました。

 いま日本はご存知のように一千兆円を越す債務残高があり、国家財政の崩壊が危惧されています。また人類史上類を見ない超高齢社会を世界に先んじて迎えています。毎年医療費は一兆円増加しており、診療機関に対しての締めつけは今後ますます厳しい状態になることを想像することは難くありません。

 私たち赤十字グループの病院は人道・博愛の赤十字精神に基づき災害救護のみならず、地域住民の方に安心で安全な医療を提供する使命があります。そのためにも当院の基本方針にも掲げていますが、健全経営は大事であります。今回発表を拝聴しますと、各院長先生方置かれている条件はそれぞれ異なりますが、厳しい状況に対して改善すべく奮闘されている姿がひしひしと伝わってきました。その中で医師の偏在化に起因する問題点が多く見受けられました。初期臨床医研修制度が始まって、研修医がある程度自由に研修病院を選択することができるようになりました。この結果研修医は都市部の大きな病院へ集中する傾向が出ました。引き続いて大学病院の医師も減少して地方病院からの医師引き上げ問題も起こりました。慢性的な医師不足が生じ、残った医師は加重労働になり、疲弊し燃え尽きてしまい病院から去っていくといった悪循環に陥る結果となる地方病院も出現しています。医療崩壊をきたした地域も出現しています。本当に厳しい状況に追い込まれている赤十字病院もありました。しかし、何とか地域の医療を守るため対策を立てられており、私にとって教えられることが多々ありました。

 私も「組織の活性化を目指して―――新任院長としての取り組み―――」の演題で発表しました。今後の医療はただ単に高額な医療機器を揃え、人を集めるだけでは質の高い医療は提供できません。職員一人一人が自己のスキルアップに務め、若い世代の職員を良い方向に育てることが重要であります。さらに自分の部署だけでなく、他の部署の情報を得る必要があり、また職種を越えてお互いを理解することが重要です。すなわち顔の見える関係から、考えのわかる関係を築くことができれば最高です。私の仕事はそれができる環境を整えることと考えます。これこそが組織の活性化の原点です。地域住民の方、医療関係者ともお互いに考えのわかる関係が築ければ、私たちの病院は地域から愛される病院になり、職員のモチベーションも揚がると思います。このような内容を発表いたしました。

 病院の活性化を図り、良質で、安心・安全な医療を提供し、地域医療を守り続けたいと切に思います。気持ちを新たにする二日間でした。


2013年 10月 28日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三