院長徒然日記

院長徒然日記

No.129 看護学生を送り出す

先日、看護専門学校で卒業式を執り行い、35名の学生を看護師として社会に送り出しました。
卒業式では、赤十字の伝統ある、しかも気品ある濃紺の看護救護員制服を着た学生を前にして、学校長としての挨拶をしました。
今日の卒業を迎えることができたのも、皆さん自身の努力はもちろんのこと、温かく見守って下さったご父兄の愛情、また厳しくもやさしさを持って熱心に指導してくださった教職員等の支えによるものです。まずこの点に敬意を表していただきたいという思いを伝え、今後は真の社会人としての自覚、これからの医療のあり方、看護師としてのあり方、赤十字精神などの内容を織り交ぜてお話ししました。卒業式は格式ある伝統にのっとった雰囲気で終了しました。

少し時間を置いて、その日の夕刻からは卒業生の主催する謝恩会に招かれ、挨拶を依頼されました。これまで学校運営会議や副学校長、教職員から、個々の学生たちの成長や悩みなどの報告を受けていましたが、わたし自身が直接学生に指導したり、話をしたりする機会はほとんどありませんでした。謝恩会の挨拶では形式ばった話をする必要はありませんので、若い人たちがこれから人として成長していくために少しでも参考になればと思い、自分自身の経験談を話しました。
まとまりもなく、取り止めのない内容ですので箇条書きにします。

一、院長になった60歳まで、外科一筋であり、これはこれで一面素晴らしいことかもしれませんが、見方を変えれば人としては実に狭い視野であること
一、60歳を過ぎてから実に多くの人、様々な分野の人と会う機会が増え、社会で活躍されている人たちと直接会話することにより社会を見る視野が広がり、自分が成長したと思えるようになったこと
一、成人してから性格は変化しないかもしれないが、歳をとってからでも人の見方は成熟する、言いかえればいつからでも変わることはできること
一、人は環境と学習により、個性を形成しており、自分と異なるのは当たり前であり、その人を拒絶するのではなく、認めリスペクトすることが自分を成長させることにつながること
一、人はなんのために生きるのか?自分が幸せになるためとわたしは考えていること

このような自分の体験、考えなどについて話しました。
二十歳を過ぎたら自分の人生は自分で決め、切り開くものと思います。出来るだけ多くの人を知り、自分とは考えを異にする人も存在することを知り、その人たちを認めリスペクトし、自らを成長させ、自分の幸せを追求し、悔いのない達成感のある人生を過ごして欲しいと願います。もし自身の行いが間違っていると思えばいつからでも変えられることも付け加えて、あいさつとしました。

2018年 3月 15日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三