院長徒然日記

院長徒然日記

No.125 今年も胡蝶蘭が花を咲かせました

年末年始の休暇は6日間ありました。この間病院に行ったり、書写山円教寺に詣でたり、同窓会に出たりと色々なことをして過ごしました。この間、頭の中で思いを巡らせていたのは、依頼を受けている病院経営マネジメントに関するシンポジウムで発表する内容をどうするかでした。座長より、“急性期病院での院長として如何にリーダーシップを発揮するか”について発表していただきたいと要望されていますので、それにお応えするように構想を練っていました。

病院は医師、看護師といった有資格者により成り立っており、職員が納得して動いて初めて機能する労働集約型企業体と言われています。職員一人一人が専門資格、素晴らしい能力を持っていて、その能力をいかに引き出し育てるかが、本人にとっても病院組織にとっても望ましい姿であると考えています。
病院マネジメントでは、自院の現状を分析し、医療の方向性を正しく捉え、全ての職員にとって夢のある着地点(ゴール)を示すことが最も大切です。そこで現状とゴールとの間にはギャップがあり、これを明確にし、このことを職員が共通認識する必要があります。そしてゴールに至る物語(ストーリー)を描くことになりますが、成功に導くには職員誰もがわかりやすいキーワード(ドメイン)を提示することがポイントであり、この点に院長としてのリーダーシップを注ぐことになります。これが病院経営の基本であるとわたしは理解しています。この内容のみでは教科書的すぎてあまりにも面白みがなく、座長の要望にも答えることはできないと悩みながら休みが明けました。

病院へ今年初出勤し院長室に入りますと、2鉢の胡蝶蘭が花を咲かせていました。年末に蕾が膨らんできていましたので楽しみにしていました。この鉢は院長就任のお祝いとして戴いたもので、毎年2〜3度花を咲かせ続け、今年で6年目を迎えています。スナップ写真を見ていただくと、形こそ商品の様に整ってはいませんが、しっかりとした花をつけており、蕾も沢山つけているのがわかると思います。周りの人にこのことを話すと、素人に胡蝶蘭の花を咲かせることは難しく 、珍しいことだと言われます。これも毎朝部屋の掃除をしてくださる“おばさん”が、水分など手入れを上手にしてくださって戴いているからと感謝しております。

「今年もまた花が咲きましたね。おばさんの手入れが上手だから」とおばさんに話しかけると「部屋の環境が合っているからよ」とお互い喜んでいます。些細な会話の中に環境が整い、その上に愛情を込めて手入れをしてくださる人があってこそ花は咲き続けることを気づかされました。

病院経営の基本は当然のことですが、もっと大切なことを掃除のおばさんから教えられました。当たり前のことですが、職員一人一人が病院という大組織を動かしていることを忘れてはなりません。働きたいと思う職場環境があり、そこで仕事をすることにより、職員同士がたとえ小さくとも喜びを分かち合えることができる。環境、職員の相乗効果が、生まれてくると確信しました。発表内容の構想にヒントをくれた胡蝶蘭でした。

2018年 1月 19日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三