院長徒然日記

院長徒然日記

No.114 施設連携合同カンファレンスに参加して

病気を抱えたまま在宅医療を実現することは、どの家族にとっても大変です。先日、在宅医療を希望される患者さんのために多くの人たちが関わり、その想いを叶えることができた事例検討会に誘われ参加しました。

日本社会が高齢社会を迎えるにあたり、医療・介護面では地域包括ケアシステムシステムを作り上げることが一つの解決策として、様々な取り組みがなされています。これまでの医療は行政を中心に方針が打ち出され、日本全体が画一的な取り組みを行ってきました。しかしそれぞれの地域には、固有な文化、歴史、社会事情があり、独自性があります。地域のことは地域で決めることが大事です。このためより良い地域医療のあり方を求めて、地域ごとに行政、医師会、医療機関、介護関係者が集まって、現在協議が重ねられています。わたしも協議に参加していますが、良い仕組みを作り上げることは大変であると実感しています。

検討会に挙げられた事例は、急性期医療を担うわたしたちの病院での入院治療を終え、今後在宅で継続治療を望まれた患者さんです。その後亡くなられましたが、患者さんの想いも叶えられ、ご家族も納得の医療が受けられたと理解されています。入院中に患者さんの思いを知り、その意向に沿って実現するために、看護師、主治医、地域連携室職員、MSW(医療ソーシャルワーカー)がカンファレンスを行い、方針を決定することから始まりました。住居に近い訪問看護をされている医療機関に情報提供し、承諾を得た上で、在宅医療とはどのようなものか、継続医療はどのようになるかなど、具体的なことを本人・家族に説明し理解をしていただきます。その後住居に職員が退院前訪問し、家屋の構造など問題点を検討、そして改善できることをしていただきます。患者さんが帰宅されてからは、引き継いだ医療機関の方達が、さらに詳細に渡り説明し、納得の上在宅医療が24時間体制で行われます。説明等は状況に応じて幾度も行われます。文面では簡単そうですが、実際は大変な時間、そして何よりも患者さんの想いに沿う家族も含め多くの方達の熱意を要します。

事例検討会では、関係した当院のみならず、連携医療機関の主治医はじめ多職種の職員が顔を合わせて、それぞれの職種から見た経過を報告し、さらにより良い在宅医療を目指して、問題点を見出し、改善策を提案していました。検討会を今後に活かし、活動の場を広げるために、多くの職員が参加し聞き入っており素晴らしい会合でした。

地域包括ケアシステムの一つの姿である事例を報告しました。質の高い医療を実現するには、現場で行われている事例を積み重ねていくことが、大切であり、近道なのであろうと強く思いました。地域医療の真のあり方のヒントを得た想いです。

2017年 9月 1日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三