院長徒然日記

院長徒然日記

No.112 つなぐ

今年も姫路赤十字病院地域医療連携交流会を開催しました。
この交流会については、3年前この日記にも書きましたが、地域の医療・介護関係の様々な職種の方々と当院の職員が直接顔を合わせて、理解を深め、考えのわかる関係を築ける一助になればとの想いで毎年開催しています。今年で14回目を迎えることができました。
参加者は年々増え、今回約400名の方に参加していただき、立錐の余地もないほどの盛況で主催者としては大変感謝しています。特に各医療機関の地域医療連携室の関係者の方々の参加が増えてきている傾向があります。

交流会は二部構成となっており、第一部では名古屋大学横山智教授による「想像を超える納豆文化の多様性~東南アジアからヒマラヤまで~」の題目で講演していただきました。納豆とは何か、納豆文化の広がり、納豆の食べ方等々大変興味深い内容で、皆さん熱心に聞き入っておられました。第二部では私の挨拶、姫路市医師会会長の挨拶で始まり、その後は参加された方の交流を深める約3時間の会で、有意義な時間を過ごしていただいたと思っています。

このような交流会は、年々多くの基幹病院主催で行われるようになってきております。これは2025年問題と大きくかかわっています。団塊の世代がすべて75歳を超え、少子高齢社会を迎えることになり、日本社会全体でも大問題ですが、とりわけ医療の世界では疾病構造が、今とは全く異なった状態となるといわれています。この現象は、以前より予測されていたことですが、だんだんとその足音が近づいてきているのが実感されるようになり、他人ごとではなくなってきているからにほかなりません。

日本の国民皆保険制度は優れた制度であり、これを守ることは多くの国民に受け入れられています。社会保障と財政は切り離すことはできず、高齢化などの人口動態による影響、その他医療の高度化等の要因により医療・介護費の増加が見込まれますが、昨今の財政の現状をみると、これら社会保障費の増大に十分にこたえるには、現実として容易でないことも理解できます。わたしたちにとって大切なのは、この現実を受けとめ、これが時代の要請であると認識することが出発点であろうかと考えます。

いま医療界はそれぞれの医療機関が役割を十分認識し、機能分化し、お互いが密な連携を取り、いかに地域医療を行うかを模索しています。地域の医療は、住民を含めた地域で育てた理念のもと変革しています。その大きな答えの一つが“連携”であり、そのために各医療機関がお互い顔の見える関係を深めているのが現状であると私は考えています。

“連携”は堅苦しくきこえる言葉と考え、“つなぐ”をわたしは好んで使用しています。この言葉は当院職員から教えられた言葉で、だれもが理解しやすいと思っています。「必要な人に、必要な医療を、必要な時に」患者さんを中心に、地域の医療機関が“つなぐ”ことができる地域に育つことを願います。


2017年 8月 3日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三