院長徒然日記

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No.111 日本バレーの復活
姫路赤十字病院バレー部です
姫路赤十字病院バレー部です
眞鍋政義氏の講演を聞く機会がありました。 
1時間30分の講演でしたが、話し方もテンポよく、飽きることのない楽しい時間でした。講演内容は、監督としての在り方、チームをまとめ、その能力を高め、力を最大限発揮して結果を出すかなど、とても本質をつく事柄が織込められており、メモを取りながら拝聴しました。

姫路市出身の眞鍋監督は、中学からバレーボールを始め、高校・大学で活躍、新日鉄に進み、ソウルオリンピックなど多くの国際大会で活躍、監督などを経て、2009年全日本女子バレー代表チームの監督に就任しています。女子バレーといえば、1964年東京オリンピックで優勝し、東洋の魔女として印象に深く残っています。 しかし1988年ロサンゼルスオリンピックの銅メダルを最期に低迷が続いていました。
この状況で眞鍋氏が監督に就任しました。「日本人選手は高さや体力で世界のトップ選手にはかなわない。厳しい環境の中で、どうしたら、もっと勝てるチームになれるか?」自問自答し、「非常識を常識にする。常識の延長線上には常識の答えしかない。リスクのある選択をしてこそ新しいことができる。」この決意のもとチームを牽引しています。紹介された事例の一部を紹介します。

2001年、シドニーオリンピック出場を逃し、敗因として「セッターが159cmの身長では世界を相手に通用しない」と竹下選手の低身長が槍玉にあげられました。彼女は激しいバッシングにさらされ、落胆し、人間不信となり故郷に引退していました。その彼女と監督は長時間話し込み、竹下選手のバレーへの想い、メダルへの想い、メンタルの並々ない強靭さを確信し、チームの核として迎え入れ、 彼女とともにメダルを獲得すると誓い合いました。
女子チームは決して選手たち同士、気心がしれているわけではありません。異なったチームからの選抜であり、各々が自身のチームに戻ればエース選手であるため、個性が強く、これをポジティブな方向にまとめ上げることは一筋縄ではありません。各々の個性に合わせてコミュニケーションを深め、時には髪型の変化に気づくなど、人心掌握の大切さを説かれています。

高さや体力で世界のトップクラスの選手にかなわない。そのためスピードや技術など、その他の要素を追求してきた。今まで前例がなかったコーチ分業制を導入したのも、勝つために必要だと感じ、常識にとらわれずに柔軟に対応してきた。眞鍋監督といったらiPadに象徴されますが、勝つために緻密なデータ分析を徹底し、iPadを導入しました。余談ですがiPadにしたのは老眼が始まり、メガネをかけるよりは拡大できる機能がある機器を利用したとのことです。
日本チームが勝つためには、攻撃よりもレシーブすることであることを選手と良く話し合い、納得の上で、男子選手のアタックを受ける練習を繰り返し続けたことを明かされました。テレビなどで知ってはいましたが、その内容は凄まじいものがあり、腕は内出血し腫れ上がっていたそうです。外国選手ではけしてできない練習方法だそうです。竹下選手はロンドンオリンピック1週間前にその練習でセッターとして致命的な人差し指を骨折していたにもかかわらず、他の選手にはそのそぶりも見せることなく、監督と約束したとおりメダル獲得に貢献しています。

そのほかにも、多くのエピソードを紹介してくださいました。最後に監督はあくまでもモチベーターに徹しており、選手のモチベーションをあげるにはどのようにすべきか、リーダーのあり方を、また日本を代表する選手の精神的な強さ、メダルへの執念といった現実を教えられ感動した1時間30分でした。人としての在り方、チームの在り方など色々教えられることの多かった講演でした。

最も印象に残った言葉は「間があるスポーツはポジティブスパイラルであれ」です。サッカーなど間のないスポーツと異なり、卓球、野球、バレーボールなどの“間”のあるスポーツは、良い結果をイメージしプレーすることが、良い結果をもたらす ことになる。良いアドバイスになりました。

これはあくまで講演を聞き、わたしなりに書いたものであり間違っていましたらお詫びします。

2017年 7月 20日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三