院長徒然日記

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No.110 仕事を面白くする

Yahoo!ニュースに【仕事は「苦痛」なのか、それとも「喜び」なのか? 】の見出しでコラムが掲載されていました。高齢社会を迎え、人口減少がもたらす労働力不足により、70代になっても現役で働くことは当たり前になるであろう。死ぬまで働かされるのかとネガティブな気分になる人もいるかもしれませんが、高齢者になっても仕事ができることはとても幸せなである。仕事を喜びとするには、自分が好きな仕事ができる環境を作ること、そして気力と体力の維持であるといった内容でした。 

そもそも面白い仕事は存在するのでしょうか。仕事をいかに面白くするかにかかっていると思います。自分の少ない経験からすると、世の中には様々な業種・職種・役職がありますが、どのような仕事をしていても、生き生きとしている人もおられれば、人も羨む業種についていながら、つまらなそうに働いている人います。これを見れば仕事を面白くすることは、属性とはほとんど関係なさそうです。ここでいう面白いとは、娯楽番組を見て面白がっているのではなく、成果を生み出したときの達成感、仕事の意味や価値について実感したとき、技術が磨かれ到達点が見えた時などに得られる感覚など、仕事を通じて得られるほんとの意味での面白さです。

わたしも仕事を面白くしてきた一人であると自負しています。振り返って見るとそれはあることに気づいたことがきっかけになったと思います。消化器外科医を目指し世の役に立つため、わたしも当然手術で極めたいと考えていました。そのためあらゆる手術書を読みあさり、先輩の手術を観察、今で言うビデオ鑑賞、研究会へ参加することなどを続けていました。手術執刀も少しずつさせてもらってもいました。そのような時、ある解剖書のページが目にとまりました。詳しくは述べませんがそれは今までとは全く異なった見方から解説された解剖でした。これを見た時「これだ!」とピンと感じるところがありました。この考え方に従って手術を見直すと多くのことが頭の中に素直に入ってくるようになりました。それからは手術がある意味面白く、しかも深みのあるものだと気づかされました。自分がどうなりたいかを常に考えていれば、そのチャンスは周りに常にあり、気づくことから全てが始まることを教えられました。現在もこのことを心がけています。

仕事をしている中で、ちょっとした発見をきっかけに、「もしかして…!?」「ああ、そうだったのか!」と気づくことがあり、その仕事のやり方がより良いものへと改善され効率が上がり、上司に褒められることがあると思います。小さな発見であっても自分の気づきで行い、そしてそれが評価されればモチベーションも上がり、喜びが得られます。さらに発展し、組織のやり方として取り入れられれば楽しくなります。いろいろな人が発見し、組織が評価することを繰り返すことにより、職場の文化となり、仕事を誰もが面白くすることができれば高齢社会を少しでも楽しめるのではと思います。   

2017年 7月 4日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三