院長徒然日記

院長徒然日記

No.106 減り続ける子供の数
当院の職員託児所です
当院の職員託児所です
今年のこどもの日は鯉のぼりが気持ちよさそうに泳ぐさわやかな春日和でした。その日の電子新聞に、国勢調査に基づく子供の人口推計を載せていました。15歳未満の子どもの数は1571万人(4月1日時点)で、前年より17万人減り、比較できる1950年以降で最低になっていました。36年連続の減少で、ピークだった54年(2988万人)のほぼ半数まで減ったことになると記載されていました。町から学校が消えると言われて久しいですが、実際にわたしが通った小学校、中学校も今は統合され、廃校になっています。この現実をみると、子供の数が半減していることを実感させられます。

少子化、高齢化は日本で大きな社会問題で、これから現実的にさらに深刻化してきます。そこで少子化対策として2003年には少子化社会対策基本法が成立しました。法律の要約をみると実に様々な観点から検討されているのがうかがわれます。基本的考え方として、これをもたらす背景として出生率低下があり、主な要因として、晩婚化の進行等による未婚率の上昇があり、仕事と子育ての両立の負担感の増大があるとしています。そのために仕事と子育ての両立の負担感や子育ての負担感を緩和・除去し、安心して子育てができるよう様々な環境整備を進め、家や子育てに夢や希望を持てる社会にしようとするものであります。具体的施策として数多く掲載されており、主なものを抜粋すると、育児休暇制度の拡充、出産後の再就職支援、保育施設の拡充、出産・育児を支援する各種給付金制度の拡充、高齢者の再雇用制度の整備、外国人労働者の受け入れなどがあげられています。
これまで様々な取り組みがなされてきており、環境は徐々に整えられていますが、結果はまだまだ好ましい状況にはなっていません。今後も引き続き多方面にわたって粘り強い取り組みが必要と考えます。

わたしたち病院は女性の多い職場であり、しかも専門職であり、常にスキルアップを求められている特徴があります。従って子育て世代の職域環境整備は極めて重要で喫緊の課題でもあります。医師をみると、医学部で女性の割合は4割強を占めており、当院でも女性医師の割合は3割を超えています。これらの実態からみても、女性が働きやすく持続性のある環境整備がいかに大事であるかが判ります。環境を整えることが医師不足の解消、安心・安全で質の高い医療を提供することに繋がると考えています。
職員が育児や介護などの理由で辞めることなく、働きたい病院づくりのためにはスタッフどうしがお互い相談でき、理解することが基本と考えます。なによりも上司はこのことをより深く理解することが必要であり、『隗より始めよ』の思いから院長自ら率先することと考えます。このような主旨で日本赤十字社病院長連盟では昨年イクボス宣言を採択しています。わたしもイクボス宣言をしました。

日本赤十字社病院長連盟イクボス宣言
“私たち赤十字病院グループの院長はスタッフの声に耳を傾け、継続的にキャリアを積んでいける多様性のある職域環境を整備するようワーク・ライフ・マネジメントに努力します”

*「イクボス」とは、男性の従業員や部下の育児参加に理解のある経営者や上司のことです。子育に積極的に関わる男性をイクメンと呼ぶのに倣い、そのイクメンを職場で支援するために、部下の育児休業取得を促すなど、仕事と育児を両立しやすい環境の整備に努めるリーダーをイクボスと呼びます。

2017年 5月 10日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三