院長徒然日記

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No.98 長期計画と感性

オバマ大統領最後の演説には感動しました。指導者のあり方、国のあり方、国民のあり方、そしてこれらの想いを実現するために、壁はあるが信念を持って乗り越え続ける姿勢が大切であると説く力強さに感動しました。次期トランプ政権への不安もあるのか、“民主主義”という言葉を何回も繰り返し使い、国民、とくに若い世代に向け、民主主義をさらに進展するよう語りかけていました。民主主義という手段を通してこそ、アメリカの完全な結束を生み出すことができ、そのためにはChangeすることが大切であると訴えており、永遠にこれを追求し続けることが国民の幸せにつながると大統領は力説しています。大国のリーダーたる者すばらしい崇高な理念を抱いて国民を導いているか垣間見ることができました。
“本音と建前 、理想と現実、格差の是正、責任ある立場にあるものは現実を認めつつも常に理想に向かわなければ現実はさらに悪化する、混沌とした時代だからこそ理想を追い求める”とわたしなりに理解しました。地方都市の基幹病院の一つであり、また1200名もの職員の責任者として、病院のあり方を考えるうえでこの演説は是非とも参考にしたいものの一つになりました。

経営者は、企業活動のベクトルを合わせなければなりません。方向がバラバラだと、企業としての結束力を失います。国政、経済、国際の変化が激しい今だからこそ、長期計画が必要なのです。先が見えない時だから、必要なのです。
長期計画を立てるには、“知性・感性・理性”の3つの“性”が必要です。現状の認識を深める知性であり、将来の見識を広める感性であり、今取るべき方針を決める理性ですが、この中で感性が最も重要な点です。経営者自ら感性でもって、組織が向かっていくべき姿、ありたい姿を描くことです。長期計画は、経営者が考え、経営者が判断し、経営者が決定するものです。そして、経営者がその全ての責任を取るものです。
世の中の動きには今日の波、今年のうねり、時代の潮流があります。うわべの変化に囚われることなく、その背後のうねり、潮流を知性ではなく、感性で感じ取ることが重要と考えます。

わたしは院長に内定してから、それまでの経験、知識をフル動員して、医療、病院、職員、患者、地域住民にとり、何が潮流であるかを入念に考えました。オバマ大統領の言う“民主主義”に相当するものは、自分にとり何かを熟慮しました。病院は理念を掲げていますが、それを目指すためにも、また職員の不安を取り除き、ベクトルを合わせるためにも、『働きたい病院づくり・治療を受けたい病院づくり』を病院の潮流としました。責任者となり4年が来ようとしていますが、間違いではないと思っており、日々“知性・感性・理性”を磨いています。

わたしはオバマ大統領の言葉ではありませんが、職員から、また患者からより多くのことを教わって変わりましたし、今後も変わり続けることと思います。

2017年 1月 18日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三