院長徒然日記

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No.9 初期臨床研修制度
▲臨床研修センター管理棟より撮影
▲臨床研修センター管理棟より撮影

 7月20日医学部6年生に対して姫路赤十字病院の初期臨床研修プログラムの合同説明会を開きました。都合のついた20名の学生が参加してくださいました。病院の研修プログラムについて当院の各科指導医が熱意のこもったプレゼンテーションをし、学生は真剣に聞き入っていました。その後学生は自己アピールをし、将来の展望について熱心に話をしてくださいました。病院は優れた研修医を求め、学生は良い研修ができる病院を選ぶといった一般の会社での就職活動と何ら変わるものではありません。私も含めて、つい数年前までは大学医局に入局し、医局の人事で研修病院が決定していた様相とは全く異なっています。

 ここで初期臨床研修制度について少し説明いたします。昭和21年実地修練制度(いわゆるインターン制度)が創設され、医学部卒業後医師国家試験受験資格を得るための義務として1年以上の実地修練を必要とされました。昭和43年臨床研修制度が創設され、医学部卒業後に医師国家試験を受験し、免許取得後2年以上の臨床研修を行う努力規定が設けられました。平成16年新医師臨床研修制度が発足し、2年以上の臨床研修を受ける必須化がなされました。必須化にあたっては、医師としての人格を涵養し、プライマリ・ケアの基本的な診療能力を修得するとともに、アルバイトせずに研修に専念できる環境を整備することを基本的な考え方として、制度が構築されています。

 臨床研修指定病院には募集の定数が決められており、医師臨床研修マッチングを介して研修医と病院の意向が一致して初めて研修先が決まることになっています。募集定数は何名マッチングしたかにより、以後の定数が定められます。子の定数は制度上、減ることはあっても増えることは困難です。この臨床研修制度が始まって10年が経過しましたが、弊害も明らかとなってきています。マッチング制度の導入によって、研修先を自由に選べるようになった結果、研修医は都市部へ集中し、地方の医師数は決定的に不足する状態になっています。


実際に姫路市で研修する医師数は年々減少しています。

今までの医局人事が崩壊しつつあることと相俟って、地方では医療崩壊が危惧されるようになっています。いわゆる医師の偏在化問題です。姫路市でも例外ではなく研修制度が始まった平成16年を境に減少傾向にあり、人口当たりの医師数は中核都市の中で最低レベルにまでなっています。

 姫路赤十字病院では研修部を設け、研修内容の充実化、施設等の環境整備、指導医の先生方の熱意などにより、どうにか定数10人を維持してきています。多くの医師が姫路市に来ていただき、地域医療を支えてくださることを祈っています。初期臨床研修制度について、地域住民の方に少しでも理解していただくために書かせていただきました。


2013年 7月 29日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三