院長徒然日記

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No.109 トライやる・ウィーク
大白書・夢前・増位・高丘中学校の皆さん
大白書・夢前・増位・高丘中学校の皆さん
白鷺・山陽・安室中学校の皆さん
白鷺・山陽・安室中学校の皆さん
今年も「トライやる・ウィーク」がやってきて来ました。最初の一週間は姫路市内の4つの中学校より10名が、後の1週間に3つの中学校より8名の2年生が、わたしたちの病院で職場体験をしました。病院にやってくると早速、子供用に仕立てたナース服、ドクター服に着替えて、病室や、検査室等に実際に出向いていただき、職員の働いている姿を見たり、できる作業は実際に手伝ったりしてもらい、仕事の実際を体験してもらいました。その姿を遠目に見ると大変初々しくて、明るく活発に活動していました。

兵庫県では阪神・淡路大震災を経験し、自他の生命や人権を尊重する心、ボランティア精神、共に生きる心の涵養など多くの貴重な教訓を得、これらの教訓を生かすべく「生きる力」を育む教育の充実を図るため、 様々な取組をすすめてきており、これを具現化する取り組みの一つとして中学生の長期体験学習の導入が行われています。生徒一人一人の持つ多様な個性や価値観を認め、その中から自分らしい生き方を実現するための力を育成することの大切さを、学校でも、家庭でも、地域社会でも共通認識し、実現するための仕組みが形となっているのが、この「トライやる・ウィーク」と考えます。

この取り組みは平成10年より行われており、多くの施設・企業等が参加しており、最近では住民にも広く知れ渡りつつあります。先日はタクシーの運転手さんから、「今年も中学生が病院にやってきて体験していますね。大変良いことだ。」と声をかけられるほどでした。
体験した生徒、保護者のアンケートや感想を読むと、「トライやる・ウィーク」の成熟度が増しているのが実感でき、兵庫県の取り組みは大変意味あるものと考えられます。生徒のアンケートによると、「働くことの大切さ、厳しさ、楽しさを感じた」、「コミュニケーションの大切さを感じた」、「社会のルールやマナーの大切さを感じた」等々であり、感想を読むと「会社全体で協力することで大きな仕事ができることや自分が気付いていない所で努力している大人がいるから 社会が成り立つことも分かった」、「人の役に立ちたいという思いが強い人が多いことに気付いた」、「自分が役立つことのうれしさ、感謝されることの嬉しさを感じた」など、わたしが教えられる言葉を多く見受けました。保護者アンケートによると、「お子さんとの会話がふえた」、「我が子への見方が変わった」等々であり、感想では、「将来の夢が無かった子どもが、トライやる・ウィークに参加し、目標が出来たり、社会に出て仕事を持つと大変だなと気付けたりと、いい体験が出来た」、「人として成長していくことを頼もしく思え、あらためて大きくなった」等取り組みを肯定する内容を多く見受けられました。

1週間の体験学習を終え、一人一人全員に修了証を渡し、感想を聞くと、「役に立った」、「看護師になりたい」、「医師になりたい」などの言葉を耳にしました。また職員を見ての感想では、「優しさ」、「緊張感」、「踏ん張り」といった言葉があり、的確に観察している点にも若者の今後が頼もしく思われました。全体を通して、「トライやる・ウィーク」は生徒たちの「心の教育」確実に成し遂げられつつあると思います。

2017年 6月 20日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三