院長徒然日記

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No.142 立ち止まって本質を!

会議、カンファレンスなどのあり方、進め方について取り上げられたコラムをよく見かけます。企業により様々な考え方のもと行われており、企業の文化などが如実に現れており興味を惹かれるところです。
病院内でもここ数年会議やカンファレンスの回数が急激に増えており、これに伴いマニュアルの作成など業務が必然的に増えてきています。医療の高度化、質の向上、安全性の確保が進むにつれ、これらの開催の数が増えることは必要なことであり、当然ともいえます。

会議の目的は、①何か行動を決めるための「意思決定会議」、②提案、意見だしするための「議論会議」、③コミュニケーションをとるための「共有・確認会議」と、大きく分類できるかと思います。このうちコミュニケーションをとるための会議は病院内で最も頻繁に行われていますが、情報を共有・確認するために日常業務として必要であり、短時間にいかに正確に伝達するかが求められます。 問題は意思決定するための会議、提案をするための会議です。会議はそもそも目的があり、これを達成するために開かれるものです。会議を開くことが目的となってはなりません。良い会議を行うための方法についてはたくさんの書があり、これらの本に委ねたいと思います。

わたしが会議やカンファレンスについて気にしていることがあります。
その一つとして会議を終えることができず、いたずらに長引いてしまうことです。不確かな情報や、断片的な情報を元に会議を始めてしまうと、「想像」を「事実」と思い込み議論することになってしまい、終わらないばかりか間違った結論を導くことにもなり兼ねません。これを防ぐためには情報を吟味して揃えることが求められます。
また「できないこと」と「したくないこと」を混同してしまうと会議を終えることができなくなります。客観的な条件のために制約がかかり「できないこと」があることは理解できます。それと同時に「したくないこと」も「人」ですからあってしかるべきです。これらを混同してはいけません。さらにその会議で決められない内容であると判明した時は、会議を長引かせることなく、論点を整理した上で、「上層部の会議で決定する内容である」と結論することも必要となります。

もう一つ気になる点は、会議の結果を行動に移す時、多くの場合組織としての約束事、マニュアル等が作成されることになります。それまで既存したものに付け加えたり、改定したりしますが、結果として決まりごとが増えることになってしまいがちです。
そもそも会議の目的は、特に病院では医療安全、質の向上、患者・職員満足度向上、作業の効率化などを目的とした業務改善のための会議が主体となります。マニュアルを増やす、決まりごとを増やすだけに終わるのであれば、結果として現場では負担が増大することになります。これでは本来の会議の目的ではなく、会議を開くことが目的となってしまいます。
立ち止まって本質は何かを考え、全体を見渡して、しなくても良いものは削除に導く結論が出せる会議であることが本質と考えます。

会議のあり方は、組織の文化、未来を醸し出す上で重要な位置を占めており、よくよく考えたいものです。

2018年 8月 16日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三