院長徒然日記

院長徒然日記

No.132 変革期の医療・介護

新聞紙面にはほぼ毎日のように医療・介護に関する言葉を見ることができます。少子高齢社会、年金・医療・介護の費用の増大、社会保障制度の崩壊危機、地域医療構想等といった大きな問題から、コンビニ受診、タクシーがわりの救急車、患者たらい回しなどといった社会問題、さらには夢のある最先端医療、医療のIT化、ゲノム遺伝子治療などいくらでも頭に浮かんできます。 これらの現象は、今の医療・介護では制度的に行き詰まることが近い将来はっきりとしていること、新たな発想で仕組みを変えなければならない危機感について言葉を変えて表現しているにすぎないと思います。日本人が「幸せ」とは何かを真剣に考え、問題の本質を見極めて、いわゆる2025年問題を乗り越えて持続できる制度を国民総意で作ることが大切であり、タイムスケジュール的に最終段階に来ていることを実感させられます。

政府は議論を重ね、医療・介護の将来像を示し、実現に向けて本年4月より、診療報酬・介護報酬の同時改訂を行いました。
わたしは急性期病院を預かる身の1人として、診療報酬改訂の内容を読み込み、国の目指す医療の方向性を理解し、病院の舵取りをする責任があります。改訂の内容を詳しく読み込むと、医療機関の役割を明確にし、機能に応じて行うべき医療行為の方向性を定めています。そのキーワードは地域においては患者、医療機関間の“連携”であり、病院内では患者、医師、看護師、薬剤師といった様々な専門職員が協働した“チーム医療の実践”です。患者も連携、チーム医療の一員であることがポイントかと考えます。
患者、医療機関、様々な職種がお互いをリスペクトすることが、“ウィンウィン”となり、地域に見合った永続性のある医療・介護システムに近づくものと考えます。

生活に不具合が生じたときの解決策として日本は古くから自助、共助、公助のシステムを持っていたとわたしは考えています。いまの日本の現状を見ると、あまりにも共助の観点が弱まっているのではと思います。日本人の本来持ち合わせている共助の心をもう一度考えることが、医療・介護が良い方向に向かうものとわたしは信じています

2018年 4月 18日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三